損益分岐点比率から変動費率を求める
損益分岐点分析も出題率が高く、派生の問題が多い傾向です。
簡単な問題はスラスラ解けるんですが、中には連立方程式を使わないと解けない出題がされた事もあります。
損益分岐点とは
原価と等しく、利益が丁度ゼロになる営業量の事。
公式
損益分岐点売上高
損益分岐点売上高ー損益分岐点売上高×変動費率ー固定費=0
or
損益分岐点売上高=固定費÷(1ー変動費率)*1
損益分岐点比率
損益分岐点売上高を実際の売上がそれだけ超えているかを分析する。
低ければ低い方が望ましい。
安全余裕率
安全余裕率=(実際の売上高ー損益分岐点売上高)÷実際の売上高
=1ー損益分岐点比率
実際の売上高が損益分岐点売上高までどれくらいの余裕があるかを示した指標。
高ければ高いほど望ましい。
過去問から考える
平成23年度 第11問
売上高と損益分岐点売上高を求める
売上高=営業利益÷売上高営業利益率=16,000万円
損益分岐点売上高=16,000円×75%=12,000万円
公式に当てはめる
損益分岐点売上高=固定費÷(1ー変動費率)
12,000=固定費÷(1ー変動費÷16,000)・・・①
このままでは解けないので、連立方程式を用いる必要があります。
営業利益が分かっているので、営業利益の式を作成します。
1,600=16,000ー(変動費+固定費)
固定費=14,400ー変動費 ・・・②
②を①に代入します。
12,000=(14,400ー変動費 )÷( 1ー変動費÷16,000 )・・・③
式を解くと、
変動費=9,600
変動費率=9,600÷16,000=0.6
よって、60% が正解となる
結論
漠然と公式を覚えるのではなく、損益分岐点売上高と安全余裕率との関係性を抑える事が大事